咳や痰が出る病気には喘息、気管支拡張症、慢性気管支炎、肺気腫などがあります。 これらの病気は、咳、痰、息切れなど、共通した症状が出ることもありますが、病気のメカニズムが違うので、西洋医学では病名の確定が重要視されます。詳しく検査をし、病名に対応した治療をします。 呼吸器の病気に共通していることは、風邪をひくと、とても悪化するということです。ですから治療に加えて、常に予防に神経を配っていないといけません。 咳や痰が数ヶ月も続くようでしたら、ガンや結核などの病気がないか確認するためにも一度は病院で検査をすることをおすすめします。 漢方薬の場合、病名よりも、体質や症状(咳がコンコンといった乾いたものなのか、ゼロゼロという湿った咳なのか、ヒューヒューという喘鳴があるか、痰はどのような色をしているか、ねばりがあるのか、時間帯はいつごろが悪化しやすいのかなど)を重視して治療の方針をきめていきます。 発作を抑える力や、気管を一時的に広げて呼吸を楽にするといった点では漢方薬は西洋薬にはおよびません。 けれど、体力、免疫力、自然治癒力、心肺機能を向上させて、発作を起こさない、病気を進行させない、感染症にかからない身体づくりという点では、漢方薬が効果を発揮します。
喘息の治療というと、まずステロイド剤です。 吸入ステロイド剤が出てきたことにより、少ない副作用で発作をコントロールできるようになりました。 とはいえ、発作を繰り返す人や、吸入の回数が減らせない、あるいは吸入の効果がない、という場合、やはり多量のステロイド(飲み薬や注射)に頼らざるをえず、副作用の心配もあります。 漢方薬で自然治癒力を高めることによって、ステロイドの使用回数を減らし、体調を安定させることができます。
健康な気管支は弾力があり伸びたり縮んだりします。気管支の壁にある線毛という細かな毛の働きとともに、気管支に入ってくる痰や、バイ菌などの異物を体の外に押し出しています。 気管支拡張症は気管支の一部が壊れ、弾力を失い、線毛が正常に働かなくなってしまうので、排出できない痰がそこに溜まり細菌の温床となります。 壊れた気管支の範囲が広ければ広いほど、重症の気管支拡張症となります。 痰が多く出る、血痰が出る、喀血する、などの症状があります。 また、体に入ってきた細菌を食い止めることが出来ないので、感染症にかかりやすく、その感染が元で気管支の破壊が広がるという悪循環をおこします。 いったん拡張した気管支を元に戻す方法は今のところありません。 ですから、気管支拡張症の進行の原因となる感染症にかからないよう、漢方薬で咳や痰などの不快症状を改善し、免疫力を高めること、肺や気管支の機能を高め進行を食い止めることが有効です。
肺を構成している肺胞が壊れてしまう病気で、息切れ、息苦しさ、咳といった症状が出ます。 根本的な治療は肺移植ということになりますが、ドナーの問題、拒絶反応、合併症など簡単に解決できないいくつもの壁があります。 肺気腫になる人の80%はタバコを吸っていた人だといわれています。 残念ながら発病した時点でタバコをやめても、肺はもとに戻ることはありません。 肺が正常に機能しなくなるので、病気の進行とともに、呼吸が苦しくなってきます。 ちょっと体を動かしただけで息切れして苦しいため、体を動かせなくなり、体力が落ち、他の病気にもかかりやすくなってしまいます。 呼吸困難がひどくなると、酸素ボンベから酸素を吸入して生活することになります。 漢方薬の服用により、体力や免疫力を保ち、心肺機能を高め、少しでも進行を遅らせるのが治療となります。また、風邪を引いてのどや肺に炎症を起こすと呼吸困難がひどくなるので免疫力をつけることは大切です。
最も多い原因はタバコです。次に多いのは子どもの頃から蓄膿症があった人。 大気汚染や職場の環境が原因になることもあります。 初期のうちは治せますが、病気の進行が進むと完治は難しくなります。 急性気管支炎の主な症状が咳ですが、慢性気管支炎では痰が特徴です。 毎朝、痰が出るようなことが長く続く人は、慢性気管支炎の可能性があります。 はじめは白い痰が出るくらいでそれほど気にしていない人も多いでしょう。 ですが、進行してくると、痰の量も増え、黄色っぽく色がつくようになります。 ひんぱんに息切れがするようになり、風邪をひくと治りにくく、高熱、呼吸困難などで重篤な状態になり、肺炎で亡くなる方も多いのです。