IBS

過敏性腸症候群(IBS)

事例

3 一つの漢方で三つの悩みが楽に

10代 女性

中高生のときから過敏性腸症候群と生理痛に悩んでいる。
食事の1時間後にお腹に差し込むような痛みがあり、その後さらに1時間くらいたつと下痢をする。
食事の後だけなので回数でいうと多くて1日3回とそれほど多くないが、登校の時間帯や午後の授業中など学校にいる間の腹痛はとてもつらい。
ガスが出やすいなどの症状もある。
生理前の数日はいつもの腹痛に加え頭痛や腰痛などの生理痛がひどく鎮痛剤を飲むのが習慣になっている。

随伴症状
寒がりで手足の冷えとお腹の冷えがある。お腹は温めていても痛くなってくる。
緊張しやすく、汗をあまりかかない。風邪を引きやすい。
肩や首のコリがありそこからくる後頭部の頭痛も頻繁。
寝つきが悪く6時間以上まとめて眠れない。

事例

■12月上旬
漢方薬エキス剤(粉末)の服用開始
■1月中旬
お腹の痛みはほとんど良くなった。トイレの回数もそれほど多くない。
食後、朝からお腹がすくようになった。ガスがお腹の中でギュルギュル鳴るのをなんとかしたい。
生理痛はなくなってはいないが、鎮痛薬を飲まなくて済んだ。
肩こりがひどく、後頭部の頭痛になる。手足が凄く冷える
■3月上旬
腹痛を感じることはあまりなくなり、トイレの回数も落ち着いているが、生理痛の腹痛は少しある。
お腹がギュルギュルとなることが以前は良くあったが大分減った。
肩こりと頭痛も今のところ大丈夫。
■4月中旬

お腹の痛みはなし。
たまに在宅時に痛むことがあり下痢をする。食後が多い。
お腹の冷え、張りなどはない。
が、今月は生理痛が重かった。肩こりとそこからくる頭痛はあまり改善されていない。

■6月上旬

お腹が痛くなることはなくなり、下痢は週に一回あるかないかと言う程度に減っている。
お腹の張りやキュルキュル音もなくなった。、生理痛も悪くない。
肩こりはまだ感じるが頭痛になるほどではなくなった。

和漢堂より

女性の場合は生理前後にホルモンの影響で便秘になったり下痢になったりしますし、
過敏性腸症候群の症状も生理前に悪化する人が多いようです。
この方の場合は過敏性腸症候群、生理痛、頭痛という三つの悩みがありました。
西洋医学ですと三つそれぞれに違う診療科に行ってみてもらうところですが、漢方的な見方をすると
原因となる部分は同じだったので、たった一種類の漢方で全ての症状が同時に和らいできました。
これを異病同治といいます。身体はすべてつながっているというのが漢方薬の考え方です。