Hives

蕁麻疹

解説

4 日常の養生

蕁麻疹では、アレルギー物質の特定ということで数々の検査を受け、自分の原因物質が何なのか非常に気になっている方もいらっしゃると思います。

ところが、慢性蕁麻疹では原因が特定できないことのほうが多いのです。
 《 原因が特定できない=原因不明の難病=治らない 》といったマイナス思考に陥り、とても暗い気持ちになってしまう方がいます。
たしかに、原因がわからないというのは不安なものですが、精神的に不安定になるのは、全身にかえって悪影響を及ぼします。

見えない敵に神経をすり減らすのはやめ、自分に出来ることを無理のない範囲でやるのが一番いいのです。それが、日常の養生ということです。

蕁麻疹でも、日常生活での養生が大きな効果をあげます。
規則正しい生活や、バランスの取れた食事はもちろん、精神的にも安定していることが望ましく、
すなわち、早めに寝て十分に睡眠をとる。冷たい飲み物をガブガブと飲まない。辛いもの、甘いもの、塩辛いもの、油の多いもの、を取りすぎない。添加物の多 いものを避ける。便秘があれば解消し、ストレスを発散する方法を身につけること、などなどごく当たり前にいわれていることです。 

そうした養生が出来れば、蕁麻疹の原因がなんであれ症状は出にくくなるものです。
言うは易し行うは難しではありますが、自分なりに養生した上で漢方薬を飲んでいただければ、(漢方薬は美味しいとはいえませんから)飲んだ努力も無駄にはならないというものです。

前にも書きましたが、漢方薬が病気を治すのではなく、自然治癒力が病気を治すのですから、漢方薬を飲んでいるからといって安心して、日常の養生を怠っていては治るものも治りません。

不規則、偏食、酒、タバコ・・・・・・好き放題にやった挙句「やっぱり漢方薬は効かなかった」といわれては、返す言葉もありません。

また、「漢方薬を飲み始めると病院の薬は飲んではいけないのでしょうか」という質問をよくうけますが、そんなことはありません。

蕁麻疹の出る頻度が減ると、病院の薬を飲む回数が減り、しだいに飲まずに済むようになったということが多いようです。