Psoriasis

乾癬・尋常性乾癬

事例

6 もうステロイド軟こうに頼らない【60歳・男性・平塚市】
30年前から毎年11月頃~3月頃までの冬の期間になると乾癬の症状が足、腹、背中などに出てくる。
暖かい季節になってくると症状が徐々に落ち着いて、6月~10月の間は、症状がすっかりなくなるということを繰り返してきた。
乾癬の症状が出ているときはベトネベートという軟膏(ステロイド外用薬)を塗って症状を抑えている。
毎年おなじことの繰り返しで、全く改善していないので何とかしたい。
今のところ、夏(7月末)で皮膚の症状は出ていないが、手や足の指の関節に痛みがあるのが気になる。
冬に向けて漢方薬でなんとかならないだろうか。
随伴症状
手足の指の痛み

事例

■7月29日
漢方薬煎じ薬服用開始
■8月5日
匂いも味も独特で、飲めないことはないが味が口に残るのが気になる。
■9月8日
皮膚の状態も悪くないし、体調も良い。
足が冷えやすく、夜に3~4回トイレに行くのが困っている。
■10月28日
3年前は198だった総コレステロール値が257になっていた。
夜間尿が寒くなってきて更に増えて5回くらいになっている。
例年、乾癬の症状がそろそろ出てくる季節だが、今のところはまだ大丈夫。
手足の指の痛みがしばらく消えていたが、ここ数日また出ている。
■12月10日
手に小さい赤いのがプツッとできている。すねとおなかにも少し出ており痒みがあるが、背中はまだ出ていない。
足の冷えと、手指の痛みは感じなくなった。
■1月26日
手指や足の痛みはすっかりなくなった。
足の冷えも感じない。
夜間尿の回数が多くて病院に行ったところ前立腺肥大といわれた。
乾癬の症状は去年よりも大分良いが、まだ出ないという訳にはいかない。
■3月1日
便が毎日出ることはでるが、硬い。
お腹のあたりに赤くて痒い湿疹ができている。
去年よりはずいぶんいいんだけどなぁ。
完治までは今一歩というところ。
■6月24日
皮膚は大分落ち着いて、乾癬の痕が黒ずんでいるくらい。
■8月6日
乾癬は全然でていない(季節的なこともある)ので、この頃服用はサボリがち
■翌年3月
漢方薬を飲まずに一冬を過ごしたが、乾癬は全くでていない。
この方の場合、乾癬が1年中出ているわけではなく、冬の間だけでした。その時その時をステロイド軟膏で凌いでいるうちに30年も経ってしまいましたが、和漢堂にいらっしゃったきっかけは、やはり関節に痛みを覚えるようになったためではないでしょうか。

尋常性乾癬が、関節症性乾癬に移行すると、リウマチに似た関節痛や関節の変形が起こる可能性もあります。1年間漢方薬を服用頂き、その間も完全に乾癬が出なくなったわけではなく、季節柄皮膚の調子がよい夏のうちに漢方薬の服用を中断してしまったので、冬に再発するのではないかと心配しましたが、その冬を無事再発せずに過ごすことができました。(このことは、わざわざお店に報告に来て下さいました)

症状の出ていない夏にご相談にいらして、そのまま冬になっても発症しなかったため、乾癬が酷い冬の状態というのを見る機会のないまま1年がたちました。主訴とは別の前立腺肥大やコレステロール、頻尿などのご相談をお聞きする機会の方が多かったかも知れません。その後、今年もう2年目の冬ですが、再発のご相談がないので、きっと大丈夫なのでしょう。

乾癬は治りにくい皮膚病で、季節によって症状が違う人も多いので「四季を通じ、最低でも2年は飲み続ける覚悟で漢方の服用を始めてください」とお話しています。
ですが、この方のように30年も患っていた乾癬が1年という短い期間できれいになってしまう例はそんなに多くはありません。