Want Pregnancy

妊娠したい

解説

3 高度生殖医療のエスカレーター

西洋医学による不妊治療はタイミング療法がだめなら人工授精、人工授精がだめなら体外受精、体外受精がだめなら顕微授精とどんどん高度になってきます。

不妊治療をするなかで、いつ何時も治療のことが頭から離れない。暇さえあればネットで治療のことを調べている。治療が進むごとに年齢も上がり、一周期も無駄にはできないという焦り、周囲からのプレッシャー、治療にあてるために自由にならない時間、そうしたストレスにがんじがらめにされ、追い詰められ、休む間もなく治療を進めてどんどん高度な不妊治療技術に頼らなければならないような気持になってくる。
高度生殖医療を受けるかどうか、それは自分達の判断で選ぶべきことであるはずなのに、穏やかならぬ心理状態に陥って後戻りできないエスカレータに乗ったかのように高度な治療へと突き進んでいく。それが高度生殖医療のエスカレーターです。

努力は報われる、そう信じてこれまでやってきた頑張り屋さんほど、どんなに努力しても、我慢しても、生理が来ればリセット、ゼロからやり直しになり、多くの犠牲を払って高度な治療を受けても報われない、そんな状況に心も体もボロボロになってしまうのです。

背後の切り立つ崖に迫っていくかのような危機感に追い込まれ、高度生殖医療のエスカレーターから降りられなくなってはいませんか。ほんの少しでも立ち止まれば妊娠のチャンスを逃すかもしれないと思い込んでいませんか。
もし思い当たるなら、少し治療から距離を置いて心と身体を休める時間が必要かもしれません。