【柿の話】
柿の学名はDiospyros Kaki。Diospyrosは ギリシャ語のDios(神)+ pyros(穀物)で神様の食べ物という意味です。
欧米でもKaki の名前で親しまれています。
柿の特徴のひとつは渋みです。
渋みの成分はタンニンで、ポリフェノールの一種ですポリフェノールの抗酸化作用が病気や老化を予防することは良く知られています。
では、甘柿や渋抜きをした柿にポリフェノールはないのでしょうか。
甘柿も渋柿も青い頃には同じように渋があります。
甘柿は成長すると渋が不溶性になるため、食べても口の中で溶けず渋みを舌に感じなくなります。
渋柿も、干したり、アルコールを使って渋ぬきをすると、渋が不溶性にかわるので食べられるようになります。
渋ぬきというのは文字通り渋を抜き去るのではなく、舌に感じない形にかえるということです。
ですからポリフェノールを摂る点に変わりはありません。
柿のもうひとつの特徴は甘さです。
フルーツには酸味のあるものが多いのですが柿には酸味がほとんどありません。
干し柿にすると甘味は更に増します。
「和生菓子の甘さは干し柿をもって最上とする」という言葉があり、和生菓子の甘みが強すぎると、くどく、下品な味になるので干し柿以上の甘さにしてはいけないということなのだそうです。
柿は栄養価が高く、ほかの果物には少ないビタミンAが豊富です。
ビタミンAは鼻・気管支・胃腸の粘膜を正常に保つ働きをするため、風邪などの伝染病にかかりにくくなります。
ビタミンCは、ミカンの2倍も含まれています。
抵抗力を高め、風邪の予防に役立ちます。
また、柿には痰をきり、咳を和らげる作用があります。
秋から初冬にかけて、朝夕の温度差が大きい季節は、鼻炎や喘息など呼吸器系が弱い人にとっては厳しい季節です。
ちょうどこの時期に旬を迎える柿はそんな人にもってこいのフルーツです。
ただし、柿には身体を冷やす性質があるので子供に夜に食べさせるとおねしょをしやすくなります。
また妊娠中の女性も控えめにしてください。
冷えによる流産が心配であることと、渋みの成分タンニンが、鉄分の吸収をさまたげ貧血を起こしやすくなるためです。
そのほか、カリウムを多く含むので腎疾患のある人、糖尿病の人は食べ過ぎに注意しましょう。
今日は、柿はちょっと苦手という人にも好評の柿ジャムのレシピをご紹介します。