【あずきの話】
一月十五日の小正月には、一年の邪気を祓い、無病息災、家内安全を祈ってあずき粥を食べる風習があります。
たんに縁起というだけではなく、あずきには私たちを病邪から守る多くの成分がふくまれています。
良質なたんぱく質はもちろん、カルシウム、リン、鉄、食物繊維、また、ビタミンはB2、B6のほかB1も含まれています。
そして活性酸素の増加を抑えるアントシアニンやサポニン。 現代人に不足しがちな亜鉛なども含まれています。
あずきを茹でると泡が出ますが、この泡の成分がサポニンです。 咳を鎮め痰をとる作用、利尿作用によるむくみ防止、又、血栓予防や血液浄化に役立ち心臓の機能をよくする働きも あります。
昔の人は、産後の肥立ちが悪い女性にあずき粥を食べさせたそうです。
産後にできやすい血栓の予防や、出産や授乳で失われる鉄分の補給、食物繊維による便秘解消など、産後の栄養補給にぴったりです。
和菓子好きでアンコならしょっちゅう食べているという人もいるかも しれません。粒あん派、こしあん派と好みが分かれますが、栄養で選ぶなら粒あんがおすすめです。あずきの皮に食物繊維やポリフェノールが豊富にふくまれているからです。
ただし、ビタミンB群は熱に弱いため、あんに加工した時点でほとんど消滅してしまうのだそうです。
今回ご紹介するあずき粥は、本来15日の小正月にするものですが、この際「年初」ということで、今からでも食べてみられたら どうでしょうか。