Palamoplantar Pustulosis

掌蹠膿疱症

事例

9 夏場は水疱が酷く冬場はひび割れに【11歳・女性・長崎県】
11歳女性。去年の春頃からの症状。既往症はなく発症の原因は特に思い当たらない。
春から9月末にかけて手足共に症状が酷かったが、今は左手指先と左足一部に症状が出る程度で落ち着いている。
症状が出ている手の指先はつねに薄皮が剥けて皮膚が薄くなっているため赤みがあり、痒みはないが皮膚が薄いため痛みが少しある。爪は薄くなって表面がでこぼこに変形している。
症状によりステロイド剤とビタミンD3外用剤を使い分けている。
次の夏に症状が悪化しないよう改善していきたい。

事例

■1月10日
漢方の粉薬服用を開始。
■約3週間後(2月)
新しい水疱は出おらず手足共に落ち着いている。
■約2ヶ月後(3月)
皮膚の乾燥症状が出始めている。
■約3ヶ月半後(5月)
新しい水疱は出ていないが、皮膚の乾燥が酷くなってきている。
■約5ヶ月後(6月)
左手に水疱ができはじめたと思ったら今度は右手にもできはじめ、かなり酷い状態になっている。手先よりも手のひらに水疱が多い。痒みは少しある程度。
ただ、去年の夏とは違って今年は足に症状は出ていない。
■約7ヵ月後(8月)
今は左手先に水疱が少し出る位で落ち着いており、痒みも気にならない。
■約8ヶ月半後(9月)
手足共に症状は出ておらず、爪も丈夫になってきている。 このまま良い経過が続けばと期待している。
■約10ヵ月後(11月)
手足共に一部皮がむけているくらいでほぼ良好。
■約11ヶ月後(12月)
かなり良い状態が維持できているので残りの漢方薬を全て飲んだら一度廃薬をして様子を見る。
一般的に、掌蹠膿疱症は春から夏場にかけて水疱の症状が悪化しやすく、秋から冬場にかけては乾燥やひび割れの症状が悪化する人が多い皮膚病です。

今回は夏の悪化を予防したいということで、時期的には早めの真冬から漢方薬の服用を始めて頂きました。
その結果、夏の症状悪化をかなり軽く抑え、また一時的に悪化しつつも短時間で回復することができました。
掌蹠膿疱症を発症してからの病歴が短かったこともあり一年足らずでの改善です。
掌蹠膿疱症に限らず、皮膚病は症状が目に見えるだけに一時的な悪化でかなり落ち込んでしまうことが多いのですが、季節を通して軽快したり悪化したりしながら改善していきます。一喜一憂せず地に足の着いた取り組みが肝要です。