【セロリの話】
セロリは、古く紀元前からヨーロッパの殆ど全域に自生しており、強精剤、強壮剤、整腸剤として使われてきました。
古代エジプト人、ローマ人はセロリを葬礼用の植物として利用しました。死臭を取り除くために、セロリの強い芳香が使われていたのです。その一方、香りが魔除けになると考え、祭りの日に部屋にセロリを飾ったそうです。
日本にセロリが入ってきたルーツは、豊臣秀吉の朝鮮出兵のときに加藤清正が持ち込み、これを「清正ニンジン」と呼んでいたとか。これは、現在目にするセロリとは少し異なる野生種に近いもので、見かけがイタリアンパセリに良く似た、スープセロリというものがありますが、それに近いものではないかと思われます。
その後、江戸時代になってオランダ船によって持ち込まれオランダミツバとよばれたものが現在おなじみのセロリです。
明治時代には栽培が始まりましたが、広く定着するようになったのは食生活の洋風化が進んだ昭和50年代に入ってから。あの独特の匂いのために、日本人で受け入れられるまでずいぶん時間がかかったようです。
葉や小枝の部分にも栄養素が多く含まれています。炒め物・天ぷら・おひたし、佃煮などにすると美味しく食べられ、ほとんど捨てる部分のない野菜なのです。
セロリの効能で注目したいのは痛風への働きです。痛風はご存知の通り、排泄しきれなかった尿酸が足の親指の付け根などにたまって痛む病気で、水分をたくさんとって尿と一緒に溜まってしまった尿酸を体外に出すのが有効です。
その点、セロリは体から毒素を外に出す働きがあります。また利尿作用、消炎作用などがあり痛風の味方です。食べてもいいですし、葉をきざんでお風呂に入れ入浴剤にしてもいいですよ。