Nocturnal Enuresis

夜尿症(おねしょ)

解説

4 夜尿症(おねしょ)のある子の宿泊行事

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夜尿症(おねしょ)があると悩ましいのが修学旅行、林間学校、スポーツ合宿などの宿泊行事です。毎日おねしょをする癖があるならもちろん、週に数回程度のおねしょでもお泊りとなると心配です。

一泊の場合は、友達と夜更かししたり、寝ないお子さんも多いので、失敗しなかったという例がほとんどです。また、小学生ではクラスに夜尿症の子が数人いるのは普通ですので、担任の先生に相談して夜中に一度トイレに起こしていただくようお願いしても何も問題はありません。
問題は数泊のお泊りがある場合、あるいは中学生以上で先生にも相談しにくいというケースです。

皆さんがどのような対策をしているか、いくつかの例をご紹介しましょう。

  • おねしょの量があまり多くないようなら、おねしょパンツや、おねしょパジャマを利用する。(両方併用だと安心)。
  • オムツの着脱を教員の部屋でやらせてもらえるよう事前に段取りする。
  • 濡れても目立たない濃い色のパジャマにする。
  • 夜尿症の薬を病院で出してもらう。(デスモプレシンなど)効く子はこれでぴたりとおねしょがとまることがありますが、薬でおねしょが一時的に止まることがあっても、治るのとは別ですので一時的な利用としてお勧めします。

いずれの方法も事前に必ず自宅で何度か試して、お子さんが安心して宿泊行事に出かけられるようサポートが大切です。

出先ではお子さんも多少緊張感をもって過ごしますので、自ら水分摂取量をコントロールしたり、就寝前にトイレに何度か行ったりなど、家では甘えがあって出来ないことでも自分なりに工夫して対処するものです。こうした経験はお子さんの成長や自信へとつながっていきます。夜尿症だから行事に不参加というのではなく、なんとか参加できるといいですね。

また、子供が行きたいといっているのに、親は失敗したときのことを考えて不参加にしたり、逆に子供はどうしても行きたくないのに親が無理やり行かせようとしたり、親子で衝突するのは良くありませんので、お子さんの気持を尊重しながらバックアップしてあげてください。

そして、万一失敗した時にパニックにならないよう対策を練っておくと安心です。

布団から出ず、具合が悪いので先生を呼んでくれるよう友人にお願いする。
先生と二人で話をする間、お友達には席をはずしてもらうなどの段取りを話し合っておきましょう。

中には、事前に友人にカミングアウトしてしまう子もいます。
膀胱の機能障害、発達障害、あるいはホルモンの障害などの病気が原因で、ときどきおねしょをしてしまうからオムツをして寝ている・・・といった言い方もできますね。
カミングアウトしたあとは気持ちが楽ですし、友人に何かとフォローしてもらって助かったという話も聞きます。もし信頼して話せるお友達がいるなら選択肢のひとつかもしれません。